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Don’t Trust Over Forty.

★★★

INTERVIEW(第1回):ハマリオ始まる

2015.03.10 : Yoshiko Nakano

★そもそもどんな経緯で結成したんですか?

ハマ: 2013年の夏の多摩川の花火大会で、オリを誘ったのがきっかけ。言い出しっぺは、オレになるんだけどね。

オリ: そう。エンジニアの寺田さん(寺田康彦:シンクシンクインテグラル)主催の恒例行事でビール片手に。

ハマ: シンクシンクとの関わりは、俺もオリも20年近くになるんだけど、ちゃんと話をしたのは、その時がはじめてだったような。俺はオリのやってるスノーモービルズは音も聴いてたけどね。

オリ: 最初にハマと会ったのは、寺田さんと3人で行ったボブ・ディランのライブだね。なんか結構近い所で音楽活動やってた割に、オレは存在すら知らなかった(笑)。でも後で聞いたら、オレが若いころ好きで聞いてたあるアンビエント系のCDは、実はハマがやった作品だったってわかった。

ハマ: まあそんなこんなで、その花火大会の頃は、俺の中で、マンチェスターとか90年代が盛り上がってて、なんかそういうギターで踊れるロックバンドやりたいなぁ、みたいな気分だったわけ。で、オリと話したら、その辺りのバンドにやけに詳しくて。で、誘った。

オリ: まぁ、その辺りはものすごく聞いてたからね。そもそも俺は基本的にライブが嫌いなんだけど、それは歌わないといけないからなんだよ。で、ハマがボーカルやるって言うから「じゃあやってもいいかな」って。

ハマ: (笑)。最初にオリに声を掛けたときは、オリがベーシストであることをあんまり認識してなくて、俺がベース弾きながら歌おうかなぁ、くらいなこと思ってた。

オリ: あ、そうなの?まぁそもそも誰も俺をベーシストとして認識してないから不思議じゃないけど(笑)。

ハマ: で、2013年の冬だっけ?とりあえず何曲かデモをメールでやり取りするところから初めて、せっかくだからと音源を作り、それでついに2015年3月に初ライブというね。

オリ: 曲はすぐ揃ったから、音源作らなければもっと早くライブやってたと思うけど、このご時世だから、やっぱいきなりライブはないなって話で。

ハマ: そういう意味じゃ、ライブやってみて、はじめてバンド結成した感があるかな。

★バンドのコンセプトというのは?

オリ: ロックとライブ。

ハマ: 普通(笑)。

オリ: いいんだよコンセプトなんて(笑)。「これしか出来ない」がロックだからな。

ハマ: 「テクノポップやってたお前が言うな」って感じだけども(笑)。ツアーもやります。

オリ: 機材をハイエースに積んでハイウェイをひた走るという。

ハマ: それはウソです(笑)。

★それぞれの役割分担はどんな感じなんですか?

ハマ: 音源制作においては、基本的に俺がギター、鍵盤、ボーカル、コーラスとか、上ものを担当して、オリが、リズム隊を担当する感じだね。作業を始めたら、おのずと効率のいい事をそれぞれがやり出すから、結果としてそうなった感じだね。

オリ: ある時、結果的にそれがお互いの弱点を補いつつ、楽できる事に気づいた。担当はハモサキとオリズムって感じ(笑)。バンドを転がしてくって意味では、間違いなくハマがバンマス。

ハマ: リハスタの予約とか、宴会場探し、ブッキング、あと、ライブでは司会進行役。って、これバンマスの仕事か?(笑)

オリ: いや、間違いなくバンマスでしょ。ってかバンマスしかそれやらないよ(笑)。

★聞かせていただいた感じだと、マンチェ感は薄かった印象ですけど。

ハマ: 元々マンチェとか言ってたんだけど、いざやり出すと、俺が横道に逸れるんだよね(笑)。

オリ: 最初に送られてきたデモが、パイレーツみたいな曲だったからね(笑)。このまま行くと完全にとっちらかったサウンドになるから、とりあえずまとめないとヤバイと思った。

ハマ: 俺が散らかし、オリがそれをまとめる(笑)。メッセージの部分では、特に深く話はしなかったけど、ふたりとも社会人で、音楽以外の世界を知ってる、ま、年齢的にも完全におっさんなんで、歌って乖離のない歌詞がいいなと思ってた。

オリ: 俺の中では、とりあえず都会を舞台にしようとは決めてたんだけど、そのぐらいしか考えてなかった。で、書いて行くうちに、どうせなら普段は書かないようなのにしようと思って「頭のおかしな奴のちょっと気持ち悪い歌 」ってのに行きついた(笑)。

ハマ: うっかり共感したら罪悪感を感じるみたいな。

オリ: まぁヒット曲を作ろうと思ったら絶対やらない作風だよね。だからやる意味がある。作曲は分業だったけど、歌詞はいくつか共作したよね?

ハマ: そうだね。1曲は完全に俺が書いたまんまだけど、他は俺が部分的に作ったやつにオリが肉付けしたり、俺が一生懸命書いたやつをオリが、勝手に直したりね(笑)。

オリ: (笑)。まぁそういう事もあるよね、バンドの楽しみのひとつとして。曲は4分の3ぐらいがハマです。

★1stアルバム「HAMARIO」が、初ライブと同時にライブ会場で発売されるわけですが、どんなアルバムに仕上がってるんでしょうか?

ハマ: 名刺代わりな1枚でもあるけど、なかなか濃く、コンセプトや方向性もしっかり芯が通った作品になったと思う。全部で12曲ってのは多い気もするけど、それなりにバリエーションに富んでるから面白く聞いてもらえるはず。あと、今回、エンジニアをお願いしたスギン(杉本 健)の手腕は特筆したいね。素晴らしいミックスだった!歌やギターがぐっと良く聞こえるもんだから、ライブでのハードルが上がりましたよ。ありがたい事に!

オリ: 本当にスギンは良かった。こういう系の仕事やったの全く聞いた事なかったんだけど、ロックが好きだってのは前々から知ってたんで、お願いしてみたら、仕上がりは文句なしだった。結局クオリティはスギンが出してくれたと言っても過言ではない。

ハマ: だから聞くべし。

オリ: 買わなくてもいいから(笑)。

ハマ: そう(笑)。買った人から借りてでも聞くべし。