人形姫

なんであたしがハブられたんだか
考えてもわかんない
片思いのあの人もみんなと
耳打ちして笑ってたんだ
笑ってたんだ

なんで知らないおじさんなんかに
付いて来たかわかんない
だけど優しくしてくれたんだし
寂し気だった

人形になった君の目から
淡い恋と明日がこぼれ落ちた
天井にあった染みを見つめ
させるままにさせて
終わるのをまった

黙って窓ばかり眺めてたら
声を無くしてたんだ
無理して笑う事もやめたから
生きてないみたい

人形になった君の目から
淡い恋と明日が泡になって
深海のような闇のなかで
弱くひかりながら
やがて消えてった

人形になった君の目には
淡い恋も明日も
もう幻想だった
真鍮のナイフ
君の手には
選択肢がふたつ
それだけ残った